2021年のマンガ大賞受賞作「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)の1話ごとのストーリーです。2023年のアニメ化も決まりました。
葬送のフリーレン【14話】言葉を話す魔物
北側諸国グラナト伯爵領へと訪れたフリーレン達
街中には衛兵が多く見られ、どこか物々しい雰囲気があります。
何事かと周囲を見まわるフェルン。
シュタルクはとりあえず旅に必要な物を買い出そうと言うと、フリーレンは前方に杖を向け、魔法を放とうとします。
いきなりの行動に驚くフェルン。
フリーレンの先には、魔族が居たのです。
街中に魔族と、あり得ない状況。
彼女は迷わずに魔法を放とうとしますが、すぐさまに衛兵に取り押さえられてしまいます。
グラナト伯爵の差し金かと、訊ねる魔族。
しかし伯爵は、和睦の使者を街中で殺す様な事はしないと言い、また自分も殺意を抑えている事を告げます。
魔族と和睦と聞き、それはあり得ないと思うフリーレン。
そんな彼女の眼を見た、和睦の使者であるリュグナーは、フリーレンの視線は猛獣を見る目
だと言います。
そんな言葉にフリーレンは、魔族は猛獣と変わらないと言い、人の声を真似るだけの、言葉の通じない猛獣だと言い放ちます。
そしてそのまま伯爵の屋敷の牢屋へと放り込まれ、2、3年ほど反省しろと言われてしまいます。
時間の無駄が好きなのだと呆れるシュタルクとフェルンは、面会しながらにそう言います。
そして買い出しの中で集めた情報を伝えてくれます。
まず魔族の使者が和睦を申し入れ、その相手は、あの魔王直下の大魔族である断頭台のアウラだったのです。
かつて死闘を演じたフリーレンにとっては忘れられない相手。
七崩賢の一人であり、消息不明となっていた筈の相手が、また出て来たと、何故か腑に落ちないフリーレン。
しかも和睦を申し入れると、そんな事はあり得ないと言います。
このヒンメルの死んだ28年の間に蘇り、最近までは伯爵と戦争をしていたアウラ。
それが何故かに和睦を申し入れ、それを受け入れたとの事でした。
それは悪手だと言い、魔族は決して人と相容れない存在だとフリーレンは言います。
シュタルクは、話し合いで解決すれば、それに越した事はないと言うも、そんな簡単な事ではありませんでした。
魔族とは人食いの化け物であり、人間と同じ言葉を使えるのは、ある目的があるからだと言います。
そう、かつてフリーレンは、そんな現場を目撃し、魔族と言う存在を知っていたのです。
子どもを食い殺した魔族の子どもを討伐しようとした際、ヒンメルはその魔族の子どもを殺す事が出来ず、フリーレンが殺そうと杖を向けるも、それを止めたのは村長でした。
魔族でも子どもだと、これから人を殺さずに生きていける方法を教えればいいと、魔物の子どもに償う機会を与え、村長は自分の娘として迎え入れます。
フリーレンは、ヒンメルに今ここで殺すべきだと言うも、彼も村長の言葉に賛成でした。
言葉があるのなら、それが伝わるはずだと、様子を見守る事にするヒンメル。
子どもを殺された母親の想いは果たされず、子どもの魔族は村長の娘として迎え入れられます。
しばらくは家族として過ごしていた魔族の子ども。
しかし、ある日にその子どもは村長を殺してしまいます。
魔族に子を殺された母親は、あの時に殺しておけばよかったと叫び、魔物の子を罵倒します。
ヒンメルは何故にこんな事をしたのかと訊ね、魔族の子どもは答えます。
自分が殺した子どもの両親が、自分に殺意を向けていると言い、平穏に暮らしたい彼女は、代わりの子どもとして、村長の娘を差し出したのです。
ヒンメルは、その子は村長の子どもだと言うも、村長は殺したと言う魔族の子ども。
誰しもが、その子の提案を受け入れる事はなく、自分は選択を間違えたとし、村長の娘を人質に逃げようとするも、ヒンメルによって娘は助けられます。
魔族の子どもは腕を切り落とされ、フリーレンによって殺されます。
殺される前に、お母さんと呟くも、フリーレンは躊躇なく魔法を放ち、骸となった魔族を見て言い放ちます。
魔族は生まれてから多くの時間を一人で過ごし、家族と言う概念を持たない、と。
なんでお母さんと、言葉を使うのかと、まだ息のある魔族の子どもに問うと、その子は言います。
そう言えば、殺せなくなる魔法の言葉と言い、その子は消滅しました。
かつてフランメは、人間の言葉を発する魔物を見つけ、魔族が使う言葉は人を欺く術だと。そして言葉を話す魔物を”魔族”と定義したと、フリーレンは言います。
そんな彼女の言葉通りに、自分達を言葉の通じない猛獣と例えた事を笑い、言葉とは解り合う為のモノではなく、欺くためのモノであると、そう言うリュグナー。
静かな悪意が動き出そうとしていました・・・
既刊全て紹介します。
コメント