2021年のマンガ大賞受賞作「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)の1話ごとのストーリーです。2023年のアニメ化も決まりました。
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葬送のフリーレン【3話】蒼月草
勇者ヒンメルが死んでから26年の月日が経ちました・・・
中央諸国のターク地方へと足を運んでいたフリーレンとフェルンは、とある田舎の村にて仕事を請け負っていました。
魔法で野菜を収穫する簡単な仕事を、どこか手慣れたようにこなすフェルン。
魔法で浮かせた幾つもの野菜を荷馬車へと詰め込み、作業を終え、クエストを終了させます。
報酬に貰った魔法は、民間魔法の暖かいお茶が出る魔法でした。
地味な仕事だと、どことなく退屈そうにしていたフェルン。
冒険者になればどんな事が待っているのかと期待すれば、全ては地味な日雇い仕事ばかり。
そして手に入れた報酬は、銅像を綺麗にする魔法や甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法。
あまり役に立ちそうにない地味な魔法や、使いどころがいまいちわからない魔法を集めるフリーレンに、本当に魔法が好きだと呆れてしまうフェルンにフリーレンは言います。
あなたと同じだ、と。
その言葉にどこか納得のいかないフェルンでしたか、フリーレンは同じだと告げます。
そして次の仕事へと訪れた二人は、勇者ヒンメルの像を綺麗にする仕事でした。
森の奥で放置され、すっかりとツタや草花や苔に覆われた銅像を綺麗にして欲しいと、かつてヒンメルに助けられた老婆からの願いに、フリーレンはある事を想い出します。
この像を作る際にポーズに悩み、一日を費やして職人を怒らせてしまったヒンメルの事を。
結局は無難なポーズに落ち着いたと、かつての事を想い出していたフリーレン。
その言葉を聞き、老婆は彼女がヒンメルと共に居た魔法使いのエルフだと想い出します。
そして銅像は瞬く間に綺麗になり、コケや埃に覆われたヒンメルの像は、瞬く間に綺麗になりました。
老婆は喜び、開けた像の周りに、花でも植えようかと言います。
フリーレンは花の魔法で何かを咲かそうとし、蒼月草の花を咲かせようと考えます。
その花は、ヒンメルの故郷の花であり、この像の周りにはそれがふさわしいと考えますが、その花を見たことが無いフリーレンには、咲かす事が出来ません。
老婆は蒼月草の花を知っていましたが、もうその花は絶滅してしまったと、どこか寂しそうに語ります。
すでに大陸での目撃情報は無く、この世から失われてしまった花を探しに、フリーレンはかつての群生地に向かいます。
もし一輪でも見つければ、花の魔法で再生する事が出来るから試す価値があると、フリーレンは言い、そんな言葉にフェルンは、ヒンメルの為かと聞きます。
その問いにフリーレンは自分の為だと言います。
そして半月を掛けて蒼月草を探すも、どこにもありませんでした。
森の隅々まで探し、老婆の仕事を手伝いながらに捜索を続けるフリーレン。
でも全く見つかりませんでした。
このままでは10年・・・否、数十年を掛けてもフリーレンは探すかもしれないと、フェルンは老婆に相談し、彼女はあるモノを渡します。
それは蒼月草の近縁種の種でした。
薬用の保管されていた種を使い、ヒンメルの墓に植えればと、そんな提案をするフェルンに、フリーレンは、もう少し探したら出発すると言います。
その言葉に諦めが悪いと呆れるフェルンは一言を言おうとするも、フリーレンの視線は一匹の動物に注がれていました。
それはシードラットと呼ばれる獣で、フェルンが貰った種の袋を盗んでしまいます。
追いかけてみると、辿り着いたのは朽ちた尖塔でした。
その上から花びらが幾つも落ち、核心を得たフリーレンは魔法で浮かび上がり、尖塔の屋上へと昇ります。
シードラットは種を見つけ、安全な場所に隠す習性のある生き物。そしてその埋めた場所を忘れてしまうのでした。
尖塔の屋上には多くの蒼月草が咲きほこっていました。
フリーレンはかつて花の魔法で蒼月草を咲かせ、仲間達と共に見た事を思い出し、ヒンメルに花の冠を被せられた事を想い出します。
そして、いつか故郷の花を見せてあげたいと言ったヒンメルの言葉を思い出します。
本当に見つけるとはと、フリーレンの後を追いかけて来たフェルンは、なんでそんなに魔法に一生懸命になれるのかと訊ねます。
フリーレンは、解るはずだと言います。
魔法使いになる事を諦めなかったと、魔法を愛していた事を言われ、ハイターと共に過ごしていた頃の喜びを想い出したフェルンは、その言葉に同意します。
そしてヒンメルの像の傍に、蒼月草の花が咲きほこり、老婆は嬉しそうでした。
そしてあの時のお返しといわんばかりに、蒼月草の花冠をヒンメルの像に被せ、再び旅へと出るフリーレン。
どこか晴れやかでした。
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