2021年のマンガ大賞受賞作「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)の1話ごとのストーリーです。2023年のアニメ化も決まりました。
葬送のフリーレン【59話】小さな人助け
無事に試験が終わり、一級魔法使いになれたフェルン。
今日はゆっくり過ごそうと、フェルンとシュタルクは街に甘い物を食べに出掛けていました。
そして偶然にデンケンとラオフェンと出逢い、一緒にカフェタイムを楽しむ事になります。
しっかり食べろと、クッキーを薦めて来るデンケン。
シュタルクは誰なのかとフェルンに訊ね、デンケンが宮廷魔法使いと知り、大慌てで謝罪します。
貴族様に対して~!と平謝りするシュタルクに、デンケンは構わないと言い、好きな物を食べろと言います。
高価なお菓子を薦めるデンケンに、お金がかかると及び腰になるシュタルクとフェルン。
しかしデンケンは天涯孤独の身の上で金を使う機会がないのだと、遠慮なく馳走になれと言います。
かつて彼には妻がいました。
二十代半ばに病で死んでしまい、それ以来彼は一人で過ごしていたのです。
妻は政争に敗れてしまった北部高原の辺境貴族の令嬢でした。
当時は富も権力も無く、助ける事が出来ず、ただ妻の死を看取る事しか出来なかったデンケン。
それゆえ、後日ゼーリエを主として大陸魔法協会が樹立され、魔法使いに特権が生まれた時
に、彼はこの上ない程の無力を感じたのです。
あの時に一級の特権があれば妻を助けられたと、今では国を動かす程の権力を持っているのにと、後悔を呟くデンケンは、どこか悲しそうでしたが、晴れやかにも見えました。
彼は言います。
フリーレンのおかげで魔法が楽しい物だったと久々に想い出せたと、フェルンにその感謝を伝えて欲しいと言いますが、彼女は言います。
直接告げてくださいと。
フェルンのその提案を素直に受け、デンケンはフリーレンに感謝を伝えに行きます。
その頃、フリーレンは一人で過ごしていました。
流石に魔道都市オイサーストは魔導書が豊富だと、笑顔のフリーレンは偶然にヴィアベルを見つけてます。
彼はリンゴを落とした老婆の手伝いをしていました。
それを見ていたフリーレンと視線が合ってしまい、彼は困っていた老婆を無視するのはないだろうとフリーレンをとがめます。
少しは考えていたと言うも、ヒンメルの仲間ならすぐに助けるべきだろうと言うヴィアベル。
フェルンを殺そうとしていた奴が、こんなにも良い奴だったとはと、感心していたフリーレンに、あれは単なる脅しだとヴィアベルは言います。
一人だけ殺しておいた方がいい奴はいると、ユーベルを思い浮かべ、自分は故郷を守る為なら何でもすると彼はフリーレンに伝えます。
彼が一級魔法使いになったのも、特権を得る為のものでした。
強い魔法が手に入れば、どんな魔族や魔物も殺す事が出来ると、しかしその分だけに困っている人も助けられると言う彼の言葉に、根っからの悪党ではないと知るフリーレン。
ヴィアベルの住む故郷は北の辺境で、勇者ヒンメルの逸話が幾つも残されている場所でした。
千鏡の塔の攻略に、七崩賢の不死なるベーゼとの戦い。
皇獄竜との戦いなど、多くの伝説を残した勇者ヒンメルの冒険譚を、ヴィアベルは子どもの頃からずっと読んで好んでいました。
しかし村の人々が話すヒンメルの冒険譚は、どれもつまらない物でした。
村を襲った魔物退治に、商人の護衛に、ただの荷物運びと、どれも子ども心を満足させる冒険譚ではありませんでした。
でも村の老人達はそれを嬉しそうに話し、それがなんで嬉しそうなのか、子どものヴィアベルには解らなかったのです。
それが解るようになったのは、魔族の残党が村を襲い出してからの事でした。
村を襲われ、助けてくれる勇者はおらず、すでにヒンメルが死に、魔族は暴走を始めていたのです。
例え多くの偉業を成す冒険をしても、強大な魔族を倒しても、自分の村には関係の無い事だと。
ヒンメルが村を救い、人々を救ったヒンメルが居なければ、今頃、この村は失くなっていたと。
魔族を撃退する力を持ち、村を復興させていく事の出来るきっかけを作ってくれたのは、ヒンメルだと、ヴィアベルは誰よりも彼を尊敬していたのです。
エーレとシャルフが迎えに訪れ、一緒に帰る事になったと告げ、フリーレンに別れを告げます。
その時、彼は言います。
出逢いは大切にしろ、と。
死別だけが今生の別れではないと言うも、そんなのは百も承知かと、ヴィアベルは仲間達と共に故郷へと帰ります。
フリーレンはヒンメルが何故に村を助けながらに各地を回っているのかと、アイゼンが訊ねた時、彼が答えた事を思い出します。
魔王を倒す事が第一かもしれない。しかし確かに小さな人助けかもしれないが、困った人を放っておく事は出来ないと、彼は素直に自分の想いを告げます。
そんな彼の言葉を思い出し、彼が行っていた行動は、世界をちゃんと変えていたと、彼の行動の結果を嬉しく思っていました。
宿へと戻ると、フェルンがフリーレンに言います。
今夜に特権の授与が行われると、そして同伴者としてフリーレンとシュタルクも一緒に行こうと言います。
ゼーリエに会いたくないと、露骨に嫌な顔をするフリーレン。
フェルンは呆れています。
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葬送のフリーレン【59話】小さな人助け>>>
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