2021年のマンガ大賞受賞作「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)の1話ごとのストーリーです。2023年のアニメ化も決まりました。
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葬送のフリーレン【7話】魂の眠る地
中央諸国のブレット地方へと訪れたフリーレンとフェルンは、かつての仲間である、ドワーフの戦士アイゼンに会いに訪れました。
彼の住む小屋の傍に祀られた二人分の墓は、彼の妻と息子の墓でした。
かつての仲間、ハイターによって祈られ、二人は天国へと旅立ったのだと。
死ぬと無に還ると信じるドワーフのアイゼンでしたが、天国があれば贅沢三昧が出来ると言い、必死に生きている先に、そんな楽園があれば良いと願うハイターの言葉に救われたのでした。
アイゼンは、久しぶりに来たフリーレンを迎えます。
フェルンを見て、仲間を連れている事に驚くアイゼン。
フリーレンは何かして欲しい事があるかと訊ねるも、ハイターのようには、まだ迎えは来ないと言うアイゼン。
文通をしていたからハイターの死は知っていると言い、まだまだ元気だと彼は言います。
しかし手伝ってほしい事はあると、フリーレンに頼みごとをするアイゼン。
フォル盆地にある大魔法使いフランメの手記が欲しいと、フリーレンに頼んできます。
ハイターの研究によって、この盆地のどこかにあると知ったアイゼンの依頼を断る事も出来ず、依頼を受けるフリーレン。
しかし森は深く、捜索には時間が掛かってしまいます。
細かなまでに捜索を続けていく中で、フェルンが大樹によって埋もれた遺跡を見つけます
何故にアイゼンがフランメの手記が欲しいのかと訊ねるフリーレンに、アイゼンは答えます。
その手記には死者と話す方法が記されており、ヒンメルと再び会話をするチャンスが得られると、その為に手記を探していたのです。
フリーレンへのお節介の為の捜索と知り、彼女はあれはおとぎ話だと言います。
しかし、彼の事をもっと知っておきたかったと、あの時に後悔した想いを拭いたいとする気持ちは嬉しく、手記の捜索を続けます。
そして見つけた遺跡は、大樹の結界によって守られていました。
その場所はフリーレンにとっては、懐かしい想い出の場所だったのです。
かつての昔。
1000年前に、フリーレンはフランメの弟子だったのです。
この大樹を植え、かつての住まいを封印したフランメは、いつかフリーレンがこの手記を取りに来ることを予測し、ここに埋めたのです。
その手記にはこう記されていました。
大陸のハルカ北の果てにある場所に魂の眠る地があり、そこでフランメはかつての戦友と会話をしたと記されていました。
それが本当の事なのかと訊ねるフェルンに、フリーレンは、師匠はおおざっぱだったと言います。
しかしその事にアイゼンは、天国はあると言い、その方が都合がいいのではと言います。
かつてのハイターの言葉を思い出し、その場所へと向かう事を決めたフリーレン。
でもその場所はかつて魔王城があったとされている、大陸北部のエンデでした。
魂の眠る地を探し、ヒンメルと話す為にと、大陸北部へと目指すフリーレンですが、寒い地は嫌だなと、既にめげていました・・・
続きます(既刊すべて紹介します)
葬送のフリーレン 1巻感想
正義の力に目覚めた勇者が活躍し、頼れる仲間達と共に世界を救うと、誰しもRPGで体験した痛快無比なファンタジーの世界。
苦難の旅を越え、心と身体と共に成長し、悲しき別れや新しき出逢いなどを繰り広げていき、そして最後には巨悪の存在を打ち倒す。
そして平和となり、伝説へと語り継がれる勇者の活躍。
でもその後を描いた作品は無く、年老い天寿を全うする勇者のその後の物語を、静かに描いていくお話です。
人間と限られた時間の中でしか生きられない勇者の死を経て、人間を知る為に旅をする事になった、ヒロインとなるフリーレン。
彼女は長命のエルフとして登場し、1000年の時代を生きている孤独なヒロインとして、世界を知る為の旅を始めていく事が、この物語の大きな見どころとなっています。
彼女の生きる時間は、普通の人間とは違い、長い年月を瞬きの様に過ごし、見知った仲間は年老い死んでいくと、彼女は孤独を味わう事となります。
この物語ではそんなフリーレンが、勇者だったヒンメルの死を経て、人間を知る為に旅をしてく事から始まります。
人間を知らず、もっと知るべきだったと後悔から始まり、その後悔を拭う為に、平和となった世界を歩んでいく旅は、新たなる彼女の冒険となっていきます。
勇者が救った世界は、本当に平和になったのか?
彼女はそんな世界を知っていき、また勇者や仲間達が活躍した結果を見つめ、そして自分達が倒した魔王や魔族がどんな悪意を持っていたのか、それを知っていきます。
世界を救い、その世界はどんなモノなのかと知っていく彼女の旅。
その結末がどんなエンディングを迎えるのかと、新たなる冒険であり、また終局の様に思える旅となっています。
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