2021年のマンガ大賞受賞作「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)の1話ごとのストーリーです。2023年のアニメ化も決まりました。
葬送のフリーレン【74話】神技のレヴォルテ
その頃・・・フリーレン達と別行動をしていたシュタルクとゲナウは、村で警戒をしていました。
魚を釣り上げ、夜食に焼き魚を食べていたシュタルクは、ゲナウに村を襲った魔族に心当たりがあるのかと訊ねます。
その問いに静かに答えるゲナウは、村を襲ったのは神技のレヴォルテと呼ばれる魔族だと言います。
奴とは因縁があると、かつての相棒を殺した魔族であり、魔法で作り上げた四本の剣で戦う相手でした。その剣は重さを変える事を可能にした武器でもありました。
羽の様に軽くしたり、巨岩の様に重くしたり、様々な形の斬撃を繰り出す剣を、神話の時代に神が世界を作り出した剣に例え、神技の砕剣と名付けられたレヴォルテの剣。
時には軽く、時には重く、そして鋭いと、矛盾だらけの攻撃だと呆れるシュタルク。
ゲナウも同意見でしたが、魔法ならばそれは可能でした。
魔法とはこの世に存在しない理を生み出す技術であり、また魔法で作られた武器は殺意の塊でしかありません。
レヴォルテは、まるで試し切りと言わんばかりに自身で作り上げた剣で人間を惨殺し、大勢を殺してきたと、ゲナウは苛立ち気に語ります。
刹那、ゲナウの声が止まり、シュタルクも何かを感じます。
冷たい殺意に身構える二人。
森の中から突如として現れたレヴォルテの繰り出した一撃を寸前で避け、距離を取り、向き合います。
戦士一人。
魔法使い一人。
シュタルクとゲナウを見て、やはり村を守っていたのかと呟くレヴォルテは、ゲナウを見た事があると言います。
何者だと問うレヴォルテに、ゲナウは答えず、シュタルクに斬撃に気を付けろと忠告します。
名乗りをあげない無礼を非礼だと語るレヴォルテに、ゲナウは害虫に名乗る必要があるかと、殺意を込めて言います。
歪んだ認識だとゲナウの行動を無礼と見なし、こちらも害虫駆除をしようと魔剣を振り下ろしてきます。
繰り出される斬撃を避けるシュタルクとゲナウ。
地面が裂ける重みのある斬撃と、縦横無尽に変動する軌道の読めない剣先の連打。
ただ回避する事しか出来ません。
ゲナウは自分を守ろうとするシュタルクに気にするなと言い、接近戦は案外得意だと言います
彼は魔族だけが物質を作り出す事が可能ではないと、黒金の翼を操る魔法を使い、自分の身体に翼を生やしました。
黒翼を展開させ、レヴォルテの斬撃を防ぎ、抑えていきます。
シュタルクはそんなゲナウの防御を見て、自身の防御に専念しながら、レヴォルテに一撃を加えていきます。
魔法を放ち斬撃を加えていく、シュタルクとゲナウの連携攻撃を四本の魔剣で弾き、防ぎ、返しながら、斬撃を加えていくレヴォルテ。
一筋縄ではいかないと、ゲナウはレヴォルテの剣技が優れたモノである事を認めてしまいます。
達人の域に達している練度の高い剣技。
持久戦になれば負けると、ここは引くかと考えた瞬間。
シュタルクが一撃を喰らい、そのまま地面に倒れてしまいます。
隙を見せたシュタルクに一撃を振り下ろそうとするレヴォルテの隙を見抜き、ゲナウは一撃を入れ、レヴォルテに致命傷を与えます。
下半身を失い、移動の術を失ったレヴォルテ。
止めを刺そうとするゲナウに、レヴォルテは彼がかつて自分を討伐に来た魔法使いの片割れだと想い出します。
相棒の最後を知りたいかと語るレヴォルテに、ゲナウは聞く耳を持ちません。
あの戦いで面白い教訓を得られたと語り、最後の助言と言いながら、後ろに生存者がいると、瓦礫の隙間から姿を出していた子どもを指します。
ゲナウはその言葉通りに子どもを確認し、その隙を見て、魔剣を子どもに放つレヴォルテ。
しかし魔剣はゲナウに弾かれ、子どもは守られますが、地面に落ちた魔剣を拾い、子どもはゲナウの腹部を刺しました。
子どもはレヴォルテの部下でした。命令通りにやれたと喜ぶ部下でしたが、ゲナウによって切り裂かれてしまいます。
判断が鈍ってしまったと、この村に生存者はいないと知っていたのに、何故か体が動いてしまったゲナウ。
あいつの癖がうつったと、かつての相棒の事を思い出す彼に、レヴォルテは自分が得た教訓を語ります。
人間は子どもを庇う習性があると。
習性か・・と、ゲナウはやはり魔族だと呆れます。
人間にそんな習性があれば、もっと世界は平和だと言い、見ず知らずのガキを庇って死んだのは、後にも先にも一人だけだと、ゲナウはかつての相棒の死を思い出します。
相棒の葬儀の日。
ゼーリエは、ゲナウの相棒の死を悼み、この子は優しすぎたと言います。
優しすぎる魔法使いは長生き出来ないと言い、その言葉にゲナウは立派な最期だったと告げます。
心にもない事を言うんだなと言いながらゼーリエは続けます。
おまえはそのまま嫌な奴でいろ、と。
そんなやり取りを思い出し、ゼーリエはこの事を見通していたのだと、ゲナウは柄でもない事をするものではないなと痛感します。
レヴォルテの一撃が振り下ろされる瞬間、その一撃を受け止めたのはシュタルクでした。
自分の一撃を受け止める事の出来る人間がいた事に驚くレヴォルテ。
ゲナウは何故に助けに入ったのかとシュタルクに問うも、戦いは最後に立っていた奴が勝つと言い、満身創痍な二人は、この劣勢を覆そうとレヴォルテに立ち向かいます。
戦いは劣勢なほど、生き残れば感動が大きいと言いながら、身構えるゲナウとシュタルク。
レヴォルテとの戦いはまだ終わってはいません。
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