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葬送のフリーレン【81話】黄金郷

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2021年のマンガ大賞受賞作「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)の1話ごとのストーリーです。2023年のアニメ化も決まりました。

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葬送のフリーレン【81話】黄金郷

雪原での資金稼ぎも何とか無事に終わり、旅を再開したフリーレン達はヴァイゼ地方へと訪れ、森の中で野営していました。

 

穏やかな時間を過ごしていた中で、フェルン宛てに手紙を届けに来た、一匹の使い魔が訪れます。

 

手紙には一級魔法使いのレルネンからの個人的な依頼が記されていました。

 

大陸魔法協会ではなく、個人的な依頼というのに、何か怪しいと感じるフリーレンは断った方が良いと乗り気ではありません。

 

レルネンとは因縁があり、一級魔法使いの試験の際に肩に傷を負わされた事を根に持っていたフリーレンは不機嫌でした。

 

しかし報酬が魔導書と聞き、因縁も忘れて引き受けてしまうフリーレン。

 

一路、レルネンの下へと向かう為に、依頼地である城塞都市ヴァイゼへと向かいます。

 

深い森を抜けて、はるか先に見える城塞都市。

 

それは黄金に包まれた、黄金色に瞬く街であり、そして魔族によって陥落された場所でもありました。

魔王軍の配下である七崩賢の一人である黄金郷のマハトによって陥落され、黄金の都市として変えられた悲運の都市。

 

今は大陸魔法協会の厳重な管理下に置かれた場所でもありました。

 

何時しか黄金郷と冒険者の間では、黄金の眠る街として囁かれ、今も黄金郷へと向かおうとする者は後を絶たないため、大陸魔法協会は周囲を封印したのです。

 

結界が張られ、マハトは封印され、今も危険地帯となっている黄金郷。

 

その管理がデンケンであると、意外な再会に驚くフリーレンに、彼はゼーリエに頼み込んで、ここの任に着いたのだと言います。

 

デンケンにとって、この黄金郷は故郷だったのです。

 

遠くに目る黄金に瞬く城塞都市を見ながらに語るデンケンの言葉は、どこか物悲しく、そして寂しそうでした。

 

シュタルクはデンケンの故郷だったのかと訊ねると、彼は自分の祖父が治めた街だと言い、自分が居たのは、北端に位置する村だと言います。

 

北端に見える大きな屋敷を見てデンケンは言います。

 

あの屋敷で一緒に暮らしていたと。

 

でもあの村は数年前に黄金郷に呑まれてしまい、黄金に変わってしまったと告げます。

 

その言葉にフェルンは疑問を持ちます。

 

黄金郷が封印されたのは50年前。

 

マハトもろとも黄金郷が封印された筈なのに、何故にデンケンの村までも黄金郷に呑まれてしまったのかと、訊ねるフェルンの声に、デンケンは答えます。

 

黄金郷の結界は悪魔でもマハトを封印する為のモノでしかなく、黄金の浸食を止める事は出来ないと。

 

だからこそに大陸魔法協会は結界の管理の為に一級魔法使いを寄こし、管理し続けていたのです。

 

そして管理人になった魔法使いは、特例として結界の中に入る事が許されるとも言います。

 

デンケンは故郷に眠る妻の墓参りに行く為に、この役目を受けたのです。

 

フリーレンは望みが果たせて良かったと言い、マハトと戦うつもりなら、協力はしないと告げます。

レルネンから来た依頼は、デンケン経由の依頼であり、フリーレンに加勢に加わってほしいとの遠回しな依頼だったのです。

 

マハトと戦うなら参加しないと言うフリーレンは、魔導書をレルネンに返す様に言います。

 

いつものフリーレンらしくない発言に驚くフェルンとシュタルク。

 

フリーレンは言います。

 

かつて昔、マハトに負けてしまった事を。

 

フリーレンは過去に11人の魔法使いと戦い負けた記憶があり、その内の一人がマハトでした。

 

クヴァールと同じと、フリーレンが警戒する強さを持つ魔族。

 

未だに勝てる保証が無く、そのイメージすらも沸かないと、フリーレンはマハトの戦いを警戒していました。

 

もし戦う事になれば、もっと先の時代になると言い、百年でも千年でも結界に閉じ込めるべきだと言います。

 

ゼーリエは結界の中にマハトを閉じ込め、そのまま結界の中で寿命が尽きる事を望んでいました。

そうすれば黄金郷がこの地方を包み込む前にケリがつくからと、フリーレンは感慨も無く言います。

その言葉にデンケンも同意でした。

 

無理をしてマハトを倒すよりも、このまま封印して寿命が尽きるまで待っていれば、いつかチャンスが訪れると、デンケンも解っていました。

 

この歳になるまでは、故郷の妻の墓参りに戻る事を考えていなかったと、自分の想いを告白するデンケン。

 

妻が死んでから、一度も戻った事がない故郷。

 

本当ならすぐに戻る事が出来た筈なのに、職責や立場を理由に帰る事はなく、妻の死から逃れようとしていたデンケンは、彼女の死を認めたくはなかったのです。

 

墓参りをすれば、妻の死に向き合わなければいけないと、彼は妻の死を受け入れる事を恐れていたのです。

 

そのせいで、いつでも行けた筈の墓参りに行く事ができず、ずっと先送りにしていたが故に、そのチャンスを失ってしまったと、後悔していたのです。

 

この地が黄金郷の飲まれ、管理人となったのも、マハトを倒す事ではなく、諦める為だと言います。

 

時間が経ち、かつての故郷は変わった事を見れば、もう諦める事が出来ると、そう信じて故郷へと向かったはずのデンケンは見たのです。

 

何も変わっていなかった、妻との思い出の場所を。

 

買い物をした街並みに、一休みしたベンチ、妻が好きだった花々。

 

それは全て何も変わっていなかったのです。

 

妻と結婚し、愛を誓った教会も昔のままだった、何も変わっていなかった故郷を見て、彼は決意しました。

 

黄金郷を開放しようと。

 

その決意を抱かせたデンケンの想いは、フリーレンにも解っていました。

 

花畑を咲かす魔法で師匠の事を思い出すフリーレンは、かつて辛くてその魔法を使えずにいました。しかし、後年そう思っていた魔法で、穏やかな気持ちになれたのです。

 

その心内を知ったヒンメルは言います。

 

師匠と過ごした時間が、それだけ大切なものだったのだと。

 

失ってしまい、思い出す事が怖くも忘れる事が出来ない、師匠との想い出。

 

フリーレンにとっては、師匠と過ごした思い出は、かけがいの無い人生の宝だったのです。

 

幸せなら、思い出してもいいのだと、そんなヒンメルの言葉を思い出したフリーレンは、デンケンの決意を理解したのでした。

 

勝算が無くて逃げだす事はいつでもできると言い、僅かな勝算に掛けてみようとするフリーレン達は、果たしてマハトを倒す事が出来るのでしょうか?

 

「葬送のフリーレン」はAmebaマンガで読めます。


【葬送のフリーレン】
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