文春が宝塚の有名演出家である原田諒(はらだりょう)氏の性加害とハラスメントを報じました。原田諒氏は宝塚内の舞台だけでなく「別箱」と言われる外部演出でも名を馳せて数々の賞を受賞し若手のホープと言われていました。
原田涼氏とはどのような人物なのか評判を作品を含めて調べました。
原田諒氏の評判「ずぶの素人からの演出」
原田諒氏は1981年生まれの41歳。出身は大阪で、最終学歴は同志社大学法学部法律学科です。宝塚ファンでも原田諒氏は脚本家ということから、同志社大学の文学部と思っていた人もいたようです。
同志社大学通信189号に原田諒氏の記事がありました。原田諒氏は観劇好きの両親につれられて幼いころから宝塚の舞台を見ていました。
原田諒氏は大学3年時に4年ぶりに募集された宝塚歌劇団演出部の募集広告を見たのがきっかけで運よく合格。在学中の4年中に演出助手として
- 稽古場での仕事
- 脚本の書き方
- 演出の仕方
- 生徒(劇団員)への接し方
を見よう見まねで学んでいったと言います。原田諒氏はそれまで演劇サークルなどにも入っておらず、まったくの白紙スタートでした。
文春によると、原田諒氏は「蒼穹の昴」で退団する娘役TOPの朝月希和さんに
「どこ向いてしゃべってんねん!」
「お前、顔でかいねん!」
相手の彩風咲奈さんにも
「目をむくなって」
「斜視、やめてな」
と容姿ハラスメントともとれる暴言を吐いています。生徒(劇団員)への接し方を大学在学中に学んだとありましたが、宝塚全体で脚本・演出家はこのような態度が許されていると思われても仕方ありません。
「蒼穹の昴」より彩風咲奈さん(左)と朝月希和さん
われわれの仕事は主演者が決まると、彼女の魅力を最大限に引き出す企画を考えるところから始まります。ですから単にダンスが得意、歌が得意、という主演者の技量だけではなく、出演者の個性も知っておく必要があります。
大胆に見える男役がとても繊細な性格だったり、楚々とした娘役が、実はとても激しい気性の持ち主だったりすることもある。そういった部分もよく見極め、時に化学変化も期待しながら企画し、脚本を練り上げ、音楽や振付など、様々なスタッフとの打ち合わせを重ねたのち、稽古に臨みます。 同志社大学通信189号より
原田諒氏は小さい頃から観劇をしていたと言いながらも、大学で演出助手として採用された時にはまるで素人でした。
2003年に宝塚に入り2006年の新人公演の演出でデビュー。僅か3年です。原田諒氏に才能があったのは明らかです。
原田諒氏の評判「恋愛ものが下手」
宝塚ファンのブログから原田諒氏の評判を調べました。
2015-8
2019-12
2020-9

まずセリフが物足りない。
単純に言葉が貧しいというのもあるし、論戦で理屈が飛んでいたりするかと思えば、強調する効果があるわけでもなく同じようなことをただ繰り返したりしている箇所が散見されました。残念。
言葉に関しては才能云々とかセンス云々とかあるのかもしれませんが、磨いていって経験積んでいってください、としか言えません。まだお若い脚本家さんなんですよね
『ロバート・キャパ 魂の記録』
作・演出/原田 諒 2014
2012年に凰稀かなめ主演によりバウホールで上演され好評を博し、作・演出を手掛けた原田諒は、この作品で第20回読売演劇大賞・優秀演出家賞を受賞。今回は中日劇場公演用にアレンジし、更にブラッシュアップした舞台に!
2022-10
宙組 「白夜の誓い グスタフ三世」2014
あらすじを書きたい。書きたいんですが、全然あらすじにならない。なぜなら断片的な場面の繋ぎ合わせだったから…これ、脚本家は寝てたのか?全然お芝居としての作品になってない
「ある・カポネ」2015
原田諒氏……この方、ガッツリ恋愛物は書けないんだなぁ……と思いました(苦笑)
実在人物モノ・原作モノと見てきたけど、ヒロインとの細かい感情の交流がどうも薄さを感じて……恋愛より人間を書きたいかもだけど、そればっかりじゃ……そもそも人間が書き切れてない
「人間が書きたいのかもしれないが・・」「恋愛が下手」と何人もの人が書いていました。
管理人も創作にたずさわっていますが、創作は自分の切り売りです。自分の中にあるものが形を変えて出てくるものです。
原田諒氏の考え方や人間性が脚本に出ているのでしょう。
原田諒氏の評判「宝塚歌劇団退団でかたはつくか」
「蒼穹の昴」の上演中の12月9日に演出していた原田諒氏が降ろされて、親会社の阪急電鉄に異動が団報にて発表されました。
雪組の団員は12月10日、劇団から「原田さんは異動になったため劇場にはもう来ない」とだけ説明されました。団員たちは「なんで?」「誰か暴言を録音した?」とざわめき、様々な憶測が飛びました。
“暴言、録音”のセリフが団員からすぐに出るというあたりに、原田諒氏のハラスメントが浸透していたのがわかる出来事です。
その後、「蒼穹の昴」の千秋楽25日を待つ形で文春が原田諒氏のセクハラ・パワハラを報じました。
28日には宝塚歌劇団がニュースとして謝罪を発表しています。
この度、宝塚歌劇団内のハラスメントに関する一部報道がございました。
ご心配をおかけしたファンの皆様ならびに関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。
当該報道は、個人のプライバシー保護の観点から配慮を欠いた記事であり大変遺憾であるとともに、本件に関して弊団が隠ぺい等の不適切な対応や不誠実な発言を行ったかのような、事実と異なる内容や表現がございますが、ハラスメント事案があったことは弊団として確認しており、関係者から慎重に聞き取りを行い、また弁護士等の見解を参考に、厳正に対処するとともに、ハラスメントを受けた方の心情に寄り添い真摯に対応しております。
なお、ハラスメントを行った団員は既に退職しており、現在は宝塚歌劇団及びグループ会社のいずれにも所属しておりません。
弊団では、研修やアンケート調査の実施、相談窓口の設置などを通じて、ハラスメントの根絶に力を入れて参りましたが、今回、このような事案が発生した事実を重く受け止めており、今後はハラスメントの防止のさらなる徹底に努める所存でございます。
2022年12月28日
宝塚歌劇団
異動の後、本社からも退社ということになり、原田諒氏は宝塚歌劇団とは何の関係もなくなったと宝塚歌劇団は発表しました。しかしハラスメントが行われたのは宝塚歌劇団在団中です。
もういない人物だからと逃げているように見えます。
劇団も暴言だけならスルーしていたかもしれませんが、今年入った演出助手へのセクハラは常軌を逸していました。
〈人間を描くべき演出家が他者の気持ちを慮れないなど、あってはならぬ事です〉
原田諒氏が被害者に当てた反省文にはそのように書いてあります。この反省文を原田諒氏は一人ではなく、劇団理事長、制作部長、総務部長、と4人の合議で被害者宛ての反省文を作ったと文春が報じています。
既に「反省している」とは言えないでしょう。
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