23日の知床遊覧船の事故で27日の午後4時40分頃から、予定より1時間余り遅れて社長の桂田精一氏が初めて記者会見を開きました。
会見を今までしなかった理由について「会見をやって欲しくない人もいるので説得している」と話していた桂田精一社長ですが、家族は「やって欲しくないと言った人はいない」と回答しています。国土交通省が桂田社長に会見をやってくれと言った形です。
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桂田精一社長の会見「土下座はポーズ」
4月27日の会見は2時間半に及びました。桂田精一社長は3度席を立ち土下座をしました。前日の26日には”誰か”と長時間電話をしていた姿が目撃されています。
斜里町長、国土交通省の役員からマスコミへ注意など挨拶があった後、登壇
観光協会の飯村さんが進行
桂田精一社長が把握の時系列で説明があった後、質疑応答がありました。
家族への言葉と反応は。聞いてどのように感じたか
ま・・・いまのところ私としては正直な所 ・・・謝罪をするしかございません。代表としては大切な家族を失ったわけで捜索中の方もいらっしゃる。謝罪しても謝罪の仕様がございませんでした。
私が出来る限りのことをやってあげたい。それしか私は考えることができない。
どんな反応があった?
やはり、やり場のない感情を含め、私としては精いっぱいそれを受け止めるだけの会見になってしまった。
説明会までに時間かかった理由、公に出てこなかった理由
まずは被害者の家族の方々と対応と救助活動を第一に考え、また海保(海上保安庁)や国交省(国土交通省)に感謝して原因究明に協力する事。ご家族に誠心誠意尽くす事とおもっていた。私一人ではうまく対応できなかった。申し訳ない。
出航を辞めるような進言があったと思うが出航を決めた理由
多くの方から質問を受けている。過去の天気予報を調べてウトロの波風の状況を調べたが、問題なかった。当日自分も(船を)すれ違う感じでお見送りをした。
午後に天気が悪くなる場合は、船長の判断で戻ってきてもらう事になっていると伝えてある。
8時に豊田船長と本日の打ち合わせをして私が(出航を)決めた。
天候は事故後マスコミの情報で、調べられるんだと思って(自分で)調べた。
事故を知った経緯
私は知床遊覧船の社員から携帯で連絡が入った。浸水している話が他社に入ってすぐのことだった。
対応は?
漁業関係者に連絡し組合長・知床丸の社長に連絡。今後の行動を仰いだ。
救助チームがあるとのことで一度電話を切る。すぐに波が高くなり風が出てきた。助けにいけないかもしれないと連絡がある。結局は海保に連絡ヘリも出ているので任せるという連絡があり。
当時会長は会社にいなかった。病院(北見)にいた。
出航の判断
船長が天気図などを見て社長に仰いで判断。他の船(シーズン前なので漁船)は確実に午後は荒れるので出航を辞めた。
豊田船長は荒れるかもしれないという認識だったのか。→シーズン前で他社は出る予定が初めからない。
荒れたら帰れという条件は社長が出したのか。→そういう取り決めになっている。
海の特徴を理解していたのか→はい。
午後は荒れる可能性があるというのを自分では思わなかったのか→その時は思わなかった
今改めてどう思うか→ ま・・・ いまとなれば事故をおこしてしまったことなので 判断的にはまちがったことだったと思う。
強風注意報と波浪注意報は把握していた。
23日8時の打ち合わせはどこでどのように
海沿いの建物の中、海は見える。事務所ではなかった。直接(豊田船長と)会って話した。
毎日そうなのか→事務所ですることが多い 運航する時は毎日話はする。
安全管理は行き届いていたのか
結果としては安全管理は行き届いてなかった。
(事務所の)アンテナの故障は(当日)朝8時半に言われた。気づいてなかった。
豊田船長のFacebookについて
「知床遊覧船はブラック企業」と豊田船長がフェイスブックに書いていた事は知らなかった。
ベテラン船長の大量リストラについて
解雇したのではない。意見が合わなかった。
毎年4月に8~12人の船長を含む船員を募集して運航していた。
桂田精一社長が語ったKAZU1の事故発生前の経緯
桂田精一社長が会見前にマスコミに配った資料概要です。
2021年5月のカズワンの船首を海上浮遊物と衝突した事故を起こした。これは豊田船長ではない。
6月船尾の座礁事故の運行は豊田船長だった。従業員もいた。
7月 造船会社に修理をだした。丁寧に直してもらった。JCI(日本小型船舶検査機構)の検査を受け合格。書類はカズワン内にあるので(手元には)ない。北海道運輸局から行政指導。改正報告を提出。
2022年1月からカズワンを陸にあげ造船所に整備を出し4月に終了。
4月20日 検査合格
4月21日 カズワンが他社と共に救助活動をしている
船体に対しても指摘はない。
22日 カズワンで豊田船長が安全確認運航で他社と一緒に23日と同じコースを走る
23日 午前8時 豊田船長と話しをする。船長から出航可能と話があった。荒れれば引き返すの条件付き運航でと決まる。
無線アンテナが外れていると指摘があり9時に修理依頼。
(自分の所がつながらなくても)他の3つの業者(小型船組合)と無線がつながるのでいいと思った。
10時出航
1時13分頃予定時刻から遅れると連絡。
1時18分他の運行会社に無線 船首浸水
他の運行会社が救助要請をしてくれた
4時半 海保が救助活動始める
無線が壊れているのがわかっていながら、当日の運航を決行するのがありえません。他社の無線は繋がるし、衛星電話もあるからと桂田精一社長は本気で思っていたのでしょうか。
1時13分の第一報はたまたま知床遊覧船の事務所にいた他社の人が気づき、自分の会社の事務所で無線を繋げたと言います。
周遊コースは3時間で、10時に出航してますから、1時の時点ですでに遅延していました。豊田船長はそれ以前にも無線や携帯での連絡をしていたのではないかと見られています。
桂田精一社長に雇われたカズスリーの臨時船長の当日の話
当日23日10:20発の短い70分コースで出ていた、カズスリーの臨時船長が話しました。
- (自分は)折り返し時点で波が高いと感じた。
- 豊田船長とも朝、話したが返答はなかった。
- 天気予報を(豊田船長が)確認してないのかなと思った。(確認しないのはありえない。)
- 時間が経つにつれて波風がたつ予報だった。
“知床遊覧船”は従業員を大事にしない体質だった。海の事は知らない社長が事故につながったと思う。
出航するかどうかは基本的に船長の判断になる。
今回(出航するのに)社長の指示を仰いだかどうかはわからない。
去年1年運航していたから自信があったのでしょうね。元々昔からGW前から運航していた会社だった。
2社の時もあったが単独行動になっていたので、もっと慎重になるべきだった。
船が二隻なのに豊田船長だけというのがおかしい。去年事故をおこしていたので自分が雇われた。船長3人雇って2人事故って残ったのが豊田船長。会員名簿が豊田船長だったので豊田船長が二度事故ったことになっていたが、事故起こしたのは豊田船長ではない。
国交省の検査は修理していないと通らないので、事故当日の波の状態で亀裂が広がったのではないかと自分たちは思っている。
匿名掲示板にこのような書き込みがありました。
謝罪するしかないというのはそのとおりですが、10秒間土下座をしても亡くなった方は帰ってきません。「行き場のない怒り」が家族の正直な思いでしょう。
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