11月19日、午後4時50分頃福島市のイオン福島店近くで歩道に侵入した軽自動車が歩行者をはね、信号待ちしていた自動車3台に相次いでぶつかる事故がありました。
軽自動車を運転していたのは97歳の波汐國芳(なみしおくによし)容疑者です。なみしお國芳容疑者は「無職」と報道されましたが、俳句で有名な俳人でした。
波汐くによし容疑者の経歴を調べました。
波汐國芳容疑者の経歴「今月15日にも新刊を出したばかり」
波汐國芳容疑者のプロフィールです。
- 1925年、福島県いわき市生まれ
- 1947年、「潮音」に入社(太田水穂・四賀光子に師事。その後「新墾」「露草」「白夜」「環」にも関係する)
- 2010年、地域文化功労賞(文部科学大臣表彰)
- 「潮音」選者。「白夜」選者
- 福島民友新聞歌壇選者。
- 現代歌人協会会員。
- 日本歌人クラブ東北ブロック参与
- 福島県歌人会顧問
- 歌誌「翔」編集発行人
- 『警鐘』で詩歌文学館賞
「潮音」は1915年に太田瑞穂によって創刊された歴史の古い短歌結社です。波汐國芳容疑者はその創設者に師事していたという、最古参です。

尊敬する歌人、福島を詠って感動的です。

うつくしまなんて福島乗せられて終(つい)は原発石棺の中
浮島という歌集名は尾瀬沼に浮かぶ浮島からの命名ですが、自己を含めた福島地域を批判する意味も含めたものです。言ってみればうつくしまなんて、自らを美化する在り方への批判です。
波汐國芳容疑者の亡妻も歌人だった
波汐朝子さん

今回読ませていただくのは波汐朝子歌集『花渦』(雁書館、2004年5月刊)だが、福島の歌人である著者は、まことに哀惜に堪えないが、今年9月10日に逝去(享年89歳)された。
朝子さんの夫である波汐國芳さんから喪中のお葉書をいただいて知ったた。「失った妻の存在は何物にも代え難いものではありましたが、ともに歩んだ日々を胸に抱き心持ち新たに新年を迎えたいと存じます。」と記され、また「波汐朝子が歌人として病に負けずに闘い抜いた記録『花渦』より一首をしたためます。」として、朝子さんの歌、「ダムのため削がれし山の痛み知る片乳のみの吾なればこそ」があげられていた。
筆者は、電話で失礼ではあったが心からのお悔やみを申し上げるとともに、歌集『花渦』についておうかがいしたところ、さっそくお送りいただいた。波汐朝子さんには、國芳さんにお願いごとの電話を差し上げた時、何回かお声をお聞きすることがあっただけだが、この連載の中で歌誌『翔』を読ませていただいきた中で朝子さんの短歌作品を読み、感銘を受けることが多かった。
波汐朝子さんのご逝去はまことに口惜しく、悲しい。
波汐國芳容疑者の妻、波汐朝子さんは2018年に亡くなっています。波汐くによし容疑者は、4年前から一人暮らしになりました。
波汐朝子さんの歌です。
汚染土の山消えたるもその跡の怪しき気配に近寄り難し
三十三年前癌に克ちたる吾なるに又も癌とは被曝のゆゑか
「われよりも先にゆくな」と卒寿をば越えし夫より鞭打つことば
被曝より七年経つもわがめぐりセシウムゆゑに小鳥ら寄らず
(『翔』第63号、平成30年4月発行)
昭和63年に癌罹患した時は克ったけれど、33年後にまた癌になったのは、福島原子力発電所被ばくのせいかもしれないと読めます。波汐國芳容疑者の妻も福島を歌い続けた歌人だったのがわかります。
波汐國芳容疑者の事故の経緯

波汐くによし容疑者の経歴は有名歌人
波汐國芳容疑者は一人暮らしになっても、自宅の清掃を欠かさず、きちんと生活していたことがしのばれます。朝晩には家まわりの清掃をしていたのでしょう。
事故による突然の逮捕でも自宅まわりは整然ときれいです。
車庫入れに難儀していたと近所の人の話がありますが、自宅の駐車場をみる限り、幅にそれほど余裕はありません。車庫入れが苦手な管理人は2~3度切り返しが必要な駐車場です。
波汐國芳容疑者には子どもが二人いて、東京に住んでいるとのことですが、波汐くによし容疑者の年齢を考えると、子どもも還暦をすぎるあたりでしょう。
独立して家庭をもっているだろうことを考えると、独居老人と言えど父親に構う事は難しいです。
事故によって歌人としての名声や役職も解かれる波汐國芳容疑者。免許返納をしなかった代償は大きいです。
【追記】波汐國芳容疑者の事故経緯
波汐國芳容疑者は歩道に侵入してすぐに川村ひとみさん(42)をはねて、そのまま歩道を走行。信号待ちしていた3台の車に衝突していました。
衝突された車の運転手(35)の証言です。
【追記】波汐國芳容疑者はアクセルとブレーキを間違えた
歩道に侵して過失運転致死で逮捕された波汐國芳容疑者は、アクセルとブレーキを間違えた可能性があると警察が見ていることがわかりました。
普段から自宅の車庫入れを何度も失敗し、数ヶ月前に買ったばかりの軽自動車は傷だらけだったということです。
波汐くによし容疑者の息子は
と言っており、近所の人も
【追記】波汐國芳容疑者に忖度はないと県警
波汐國芳容疑者は県文化功労章を受章するなど、地元の名士として知られていました。3年前の池袋の暴走事故で浮上した「上級国民」としての忖度を、集英社の記者が県警に質問した所、
【追記】波汐國芳容疑者の親族は前日タクシー会社に相談
事件のあった11月19日の前日、波汐國芳容疑者の親族が、これから世話になるだろうとタクシー会社に電話相談をしていたことがわかりました。
【追記】波汐國芳容疑者の運転技術の低下
波汐國芳容疑者は以前はセダンの普通乗用車に乗っていて、数ヶ月前に軽自動車に乗り換えたことがわかっています。
近隣の人の車庫入れが大変そうだったという証言ですが、具体的な数字が出てきました。波汐國芳容疑者は車庫入れに5分かかっていたそうです。
自宅近くでは静かに穏やかに運転していたものが、最近左側を歩く子供にいきなり「あぶねー」と声を掛けたり、曲がり角で子供が自転車で向かってくるといきなり怒鳴ったという証言があります。
急激に自動車運転技能が衰えていたのではないでしょうか。
【追記】波汐國芳容疑者は容疑を認める
波汐國芳容疑者が逮捕後、一貫して容疑を認めていることがわかりました。
「外出先からの帰宅途中だった」
「事故を起こしたことは間違いありません」
と話しているそうです。
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