2021年7月、高井直子さんが大阪府高槻市の自宅の浴槽で亡くなっていました。手首に皮下出血の跡があったことから他殺と見られています。
高井直子さんは2020年に職場で知り合った成人男性と養子縁組をしていました。養子になった高井凛(たかいりん)容疑者(28)が、養子縁組書類偽造の疑いで逮捕されました。
高井りん容疑者は社会人になってもアメフトサークルに入っています。たかい凛容疑者の学歴と高井直子さんとの接点を調べました。
- 高井凛容疑者は高校も大学も関西学院
- 高井凛容疑者と高井直子さんの接点
- 高井凛(松田凛)容疑者は高校も関西学院「自信消える」
- 【追記】高井凛(松田凛)容疑者の保険会社時代の評判
- 【追記】高井凛容疑者が大学で裏方に回った理由
- 高井直子さんの意外な一面
- 【追記】高井直子さんが遺産を残そうとしたのは姪
- 【追記】高井凛容疑者詐欺の疑いで再逮捕
- 【追記】高井凛容疑者8月25日殺人容疑で再逮捕
- 【追記】高井凛容疑者は保険会社退職後「殺し屋を探していた」
- 【追記】高井凛容疑者は生活水準維持のため犯行
- 【追記】高井凛容疑者は女装までしていた
- 【追記】高井凛容疑者は犯行後養子縁組解消を申請していた
- 【追記】高井凛容疑者に敏腕弁護士がつく
- 【追記】高井凛容疑者が自殺図る
- 【追記】高井凛容疑者の死亡確認
- 【追記】大阪府警福島署が虚偽公文書作成で処分
- 【追記】高井凛容疑者の遺書らしきもの29日に確認していた
高井凛容疑者は高校も大学も関西学院
3月に新潮が高井直子さんの養子の男性について記事をあげています。アメフトにかなり入れ込んでいて、社会人チームでも副主将に名乗りをあげて戦略をパワーポイントで説明していました。
「高井凛容疑者のSNSから」と今回報道された写真と全く同じです。高井りん容疑者の養子縁組前の名字は「松田」とわかりました。
2020年に養子縁組をしているので、学生時代は「松田凛」ということになります。”松田凛”でアメフトから学歴を調べました。
松田凛さんは、2011年のオールジャパンに選ばれていました。選手46名です。所属は関西学院(かんせいがくいん)とあります。松田凛さんは高校3年生です。
また2010年の11月13日の試合では
とも試合経過が書いてあります。2011年に高校3年生。2010年に高校2年生。高井凛容疑者は逮捕された2022年7月で28歳です。
さらに第68回甲子園ボウル(2013年)のスタッフ名簿に松田凛さんの名前がありました。
しかし、松田凛さんはプレイヤー名簿に名前はありません。160名ほど登録されていて、1年生も2年生も名前が入っているのにコーチスタッフです。
高校時にオールジャパンに選ばれるほどの選手が関西学院大学に入って、なぜ裏方に回っていたのでしょうか。挫折かケガをしたのかもしれません。
関西学院の高等部、大学のアメフト部に所属していた松田凛さんが高井凛容疑者なのは間違いいないでしょう。
やはり高校時の印象が強いのかツイッターに書き込みがありました。
高井凛容疑者。。
高校の時の先輩のあの凛さんだよね?、、、
よくテレビであの良い人が?、、みたいなインタビューされてるけど、まさにそれやね、、、 pic.twitter.com/gT6lwpzVMo
— 脇田 浩嘉 (@5hiiro27) July 20, 2022
高井凛容疑者。。
高校の時の先輩のあの凛さんだよね?、、、
よくテレビであの良い人が?、、みたいなインタビューされてるけど、まさにそれやね、、、
同級生と写真に写ってた。
コロナ給付金詐欺も関西学院やったな。
高井凛容疑者と高井直子さんの接点
高井凛容疑者は大学卒業後、コンサル会社や大手保険会社を転々としています。話術が巧みで、嫌な印象を残さないことから、営業職は向いていたのでしょう。
一方の高井直子さんの勤務先は都市銀行グループでした。
大阪府高槻市の都市銀行はみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行になりますが銀行名まで特定はできていません。
高井直子さんは独身で、母親が介護施設にいます。責任感の強い方で、介護施設に入居させる時も自分が面倒をみないといけないのにと相当悩んでいたと近所の人が覚えています。
高槻市八幡町の実家は一人で住むにはとても広いものでした。
高井直子さんの中学時代の同級生だった男性は事件前まで交流があったといいます。
高井凛容疑者は保険の外交員をやっていた時に、高井直子さんと知り合いました。大きな会社に営業を許される保険会社もまた大手のことが多いです。
大手石油会社に勤めていた友人の所は日本生命だと言っていました。囲い込みのようでもありますが、保険外交員同士の営業成績に巻き込まれたりすることもあります。
会社のロビーで「私の顧客をとらないでよ!」と争いになったのを見たこともあると言ってました。高井凛容疑者が入った外資系保険会社は歩合制だったので競争はもっと激しかったことでしょう。
高井直子さんと高井凛容疑者の出会いは2018年11月と見られています。高井凛容疑者が外資系保険会社に転職して顧客だった高井直子さんと知り合いました。
高井凛容疑者は高井直子さんに二口合計1億5千円の保険契約をさせました。そのうち一口は自分がいた外資系保険会社の銘柄です。
高井直子さんが契約時に誰を受取人にしていたのかはわかっていません。亡くなった時にすぐに親族が来ていることから、近くに親戚はいますが身内は高齢の母親だけです。
高井凛容疑者が高井直子さんとの養子縁組の書類をだしたのが、昨年の2月です。その後、保険金受取人を自分に変更していました。
高井直子さんは人付き合いが好きというわけはなかったようですが、実直だったのでしょう。高井凛容疑者の話術にほだされた可能性もあります。
高井凛容疑者は2021年暮れのインタビューに
と話していました。理由について「ざっくりいうと直子さんに身寄りがないから」と高井凛容疑者は答えています。亡くなったことに関しても「直子さんには持病があった」と答えました。
しかし、高井直子さんにそのような持病はなかったとわかっています。
養子というのは息子になるということですが、”母親”に対して淡白で軽い印象がありました。
高井凛(松田凛)容疑者は高校も関西学院「自信消える」
高井直子さんが亡くなって1年になるのに、まだ保険金を受け取っていないと答えた逮捕前の高井凛容疑者。昨年の暮れにインタビューを受けていた時とずいぶん印象が違います。
今回の高井凛容疑者の逮捕は養子縁組書類偽造容疑です。保険会社にいたのなら、必要な書類が何かもよくわかっていたのでしょう。
関西学院大学のアメフト部は就職先がいいので有名です。高井凛容疑者はさらに高等部から通っています。後輩にも影響はありそうです。
【追記】関西学院の中等部に中学受験で入っていたという話もあります。真実であれば、高井凛容疑者は中高大学と関西学院一筋だったことになります。
【追記】高井凛(松田凛)容疑者の保険会社時代の評判
高井凛(松田凛)容疑者は歩合制の外資系保険会社に勤めていた時に、高井直子さんと知り合ったと言われています。
この保険会社時代について書き込みがありました。
【追記】高井凛容疑者が大学で裏方に回った理由
7月27日文春が報じたところによると、高井凛容疑者は生まれつき脳の血管が細いそうです。
アメフトはヘルメットも防具もつけるスポーツですが、それだけアタリが激しい。
関西大学に入ってから脳出血で倒れたことがありました。一命は取り留めましたが、大学としても脳疾患では部活動は怖くて続けさせられません。
高井凛容疑者はその後、花形のQBから関西学院高等部のコーチに就任しています。
指導には定評があったようで、高井凛容疑者がコーチをしていた2年間で2回関西学院高等部のアメフト部は全国優勝をしています。
高井直子さんの意外な一面
まじめな銀行の一般事務を長年務めていた高井直子さんですが、お酒が好きだったことが分かりました。
お酒が入ると饒舌になり、普段は自分のことを含めあまり話さない高井さんが
「彼氏が欲しい」
と話していた事を覚えていた人がいます。
「腹違いの弟がいる」
という話も聞いていました。
【追記】高井直子さんが遺産を残そうとしたのは姪
20年来の友人が、生前、高井直子さんが遺産について話していた事を証言しました。
【追記】高井凛容疑者詐欺の疑いで再逮捕
高井凜容疑者(28)は養子縁組書類を有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕されていました。8月10日、高井凛容疑者はクレジットカードを不正利用されたと偽って購入代金をだまし取った詐欺の疑いで再逮捕されました。
高井直子さんとの養子縁組書類の偽造の為、妻や父親の印鑑などを無断で使用したのはわかりますが、クレジットカードの話は高井直子さんの一件とは別問題と考えられます。
警察は高井直子さんの死亡にも関わっていると高井凛容疑者を調べています。その中で犯罪がひとつ露呈したということでしょう。
【追記】高井凛容疑者8月25日殺人容疑で再逮捕
読売新聞 : 保健外交員時代の高井凛容疑者
高井直子さんとの養子縁組書類に有印私文書偽造・行使で逮捕されていた高井凛容疑者。高井凛容疑者は既に高井直子さんの預貯金、退職金を含め約1億円を遺産として受け取っていたことがわかりました。
かけられていた1億5千万の生命保険金の支払いは、高井直子さんが事件に巻き込まれた疑いがあることから停止されています。
高井凛容疑者は遺産相続に必要な「死体検案書」を大阪府警高槻署に自分で取りに行って入手していたことがわかりました。
高井凛容疑者は高井直子さんの死亡への関与は否定しています。
大阪府警は8月25日、高井凛容疑者を殺人容疑での逮捕状をとりました。
【追記】高井凛容疑者は保険会社退職後「殺し屋を探していた」
高井凛容疑者はプルデンシャル生命保険会社を辞めた後、2021年2月に仕事の相談相手だった男性と喫茶店で落ちあい養子になることを告げています。
後日、高井凛容疑者に会った日から間もなく、男性のスマートフォンに電話がありました。
男性は疑問に思ったが、冗談だと当時は受け流していました。社内にも高井凛容疑者が殺し屋を探しているという噂は流れていたそうです。
また高井凛容疑者についての印象を
「何を考えているかが分からない。仕事はできる部分も多かったですけど、できるふうに見せるのもうまかったかもしれない。クレームも多かった。それですぐに(会社が)辞めさせたという感じ」
【追記】高井凛容疑者は生活水準維持のため犯行
プルデンシャル生命保険会社に勤めていた時、高井凛容疑者は月100万円の収入がありました。赤坂のタワマン家賃が30万円ですが、まだ余裕があります。
しかし顧客からのクレームが相次ぎ、2020年6月プルデンシャルを事実上解雇。同年8月には都内の別の保険会社に就職します。高井直子さんに5000万の保険契約をさせるなど当初は実績をあげました。
しかしプルデンシャル生命保険会社時代の強引な契約で保険業務に必要な「保険募集人」の資格を取り消されたことが分かりました。
保健外交員として働くことが出来なくなった高井凛容疑者は、すぐに金に困窮します。2021年2月(高井直子さんと養子縁組をした頃)には、元同僚に「100万円貸してくれないか」と持ち掛けています。
- 2021年5月、5000万円の保険契約の受取人を母親から自分に替える
- 2021年7月23日 1億円の保険契約の受取人を母親から自分に替える
高井直子さんが殺されたのは7月22日ですが、発見されたのは7月26日でした。23日にまだ死んでいないと思わせる偽装は名義人変更のためでした。
【追記】高井凛容疑者は女装までしていた
7月22日の事件当日、高井凛容疑者は当時住んでいた自宅マンションから出る時に「女装」をしていたことがわかりました。防犯カメラに写っていたそうです。
その後港区のドン・キホーテに寄り、”女性”が持つバッグなどを購入。さらに100円ショップで高井直子さんの腕に残っていた結束バンドと類似した品物を購入したことが店員の証言でわかりました。
高槻市の高井直子さんの自宅へは盗んだ自転車で向かっていました。犯行時刻は2021年7月22日の16時~18時の間と見られています。
また大阪に向かい、東京へ戻るまでの間に何度も服装を変えていました。自宅マンションにスマートフォンをわざわざ置いて出かけてもいます。
計画的な犯行が見えてきました。
【追記】高井凛容疑者は犯行後養子縁組解消を申請していた
高井凛容疑者が、犯行後養子縁組の解消を家庭裁判所に申請していたことが分かりました。
遺産相続、保険金受取については、高井直子さんが亡くなった時点で親子であれば権利はあります。なおかつ、養子縁組が解消されれば高井直子さんとは縁がなくなります。
高井直子さんには介護施設に入っている母親がいます。母親の介護費用や施設費を自分が払わなくてもいいように、解消を申請したものと考えられます。
8月29日現在で申請は受理されていません。
【追記】高井凛容疑者に敏腕弁護士がつく
「西の無罪請負人」と言われる刑事弁護の第一人者、後藤貞人(ごとうさだと)弁護士が高井凛容疑者の弁護を担当していることがわかりました。
新潮が弁護を請け負った過程などを質問しましたが、守秘義務があるということで回答されませんでした。
高井凛容疑者は養子縁組の偽造文書容疑で逮捕された時は「否認」していましたが、その後は一貫して「黙秘」しています。
【追記】高井凛容疑者が自殺図る
9月1日早朝、高井凛容疑者が留置されている福島警察署の留置場の居室で、ヒモのようなものを束ねたものを使って、首を吊ったことが分かりました。
午前6時44分の巡回では布団に寝ていることが確認されています。その後、7時2分の巡回時に高井凛容疑者が自殺を図ったのが発見されました。
高井凛容疑者は搬送時は意識がなく心肺停止の状態だったということです。
高井凛容疑者は取り調べの中で「逃走を考えている」と話したり、看守の様子をうかがっている素ぶりがあった為、警察は通常より巡回の回数を増やしていました。
福島警察署:高井凛容疑者が留置されていたのは3階の個室でした。
高井凛容疑者は複数枚のTシャツの袖部分を割いてひも状のものをつくり、束ねて強度をつけて高さ2メートルほどある金網からひもをつるしていたことがわかりました。
尚、高井凛容疑者は「脱走を考えている」とは言っていましたが、自殺の可能性がないと見られていたため、福島警察署では高井凛容疑者の独居房に監視カメラは付けていませんでした。
【追記】高井凛容疑者の死亡確認
毎日新聞によると、救急搬送されて一度は蘇生しICUで治療を続けていましたが、意識は戻りませんでした。捜査関係者への取材で死亡が確認されました。
高井凛容疑者は殺人容疑での逮捕後は黙秘を貫いていたため、真相解明が困難になったと言えます。
【追記】大阪府警福島署が虚偽公文書作成で処分
12月14日、大阪府警が福島署の署員3人と関係者18人を処分したことがわかりました。
- 留置場外にあった高井凛容疑者のロッカー点検は一度もしていなかったのに、自殺6日前にも点検していたと嘘をついた。(ロッカーの点検は月に2回と決められている)自殺に用いたTシャツの裾もロッカーにあった。
- 自殺2日前に自殺をほのめかす文書が見つかった為、署長は巡回の回数を1時間に5回に増やすよう指示したが、実際は自殺当日までの10時間に15回しかしていなかった。
【追記】高井凛容疑者の遺書らしきもの29日に確認していた
大阪府警は「8月29日の時点で高井凛容疑者がいる独居房で、自殺をほのめかす内容の手紙を回収していた」ことを発表しました。
府警によると、8月29日午後6時50分ごろ、高井凛容疑者の単独居房を点検するため、居室内からボールペンやノートを回収した。
ノートには複数の便箋が挟まっており、家族にあてた自殺をほのめかす内容が確認された。
署員は当直責任者に報告し、監視強化を指示されていた。30日午前に作成された報告書は署長決済が下りていた。
結果的に高井凛容疑者は自死しました。府警留置管理課は「今回の問題点を精査し、今後の同種事案の再発防止につとめる」とコメントしています。
【追記】虚偽説明をした大阪府警調査官更迭
9月8日、高井凛容疑者の遺書は8月30日未明には署長まで把握、報告されていました。
高井凛容疑者が亡くなった次の日の9月2日、戸山明夫調査官は初めて便箋の存在を明かし、「本部が把握したのは2日未明」と嘘の説明をしていました。
戸山明夫調査官は虚偽説明が発覚し、報道対応から外されたと報告がありました。意図的に遺書の存在を隠した理由はわかっていません。
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