数ある悪役令嬢・転生ものの中でも異色で大人気の「悪役令嬢転生おじさん」【2話】のあらすじ(ネタバレ)と感想です。
悪役令嬢 転生おじさん【2話】優雅変換(エレガントチート)
ヒロインであるアンナと、とりあえず接触し魔法学園で共に学ぶ事となるグレイス・オーヴェルヌ。
しかし中身は公務員で中年管理職の屯田林・憲三郎(とんだばやし・けんざぶろう)。自分がこの世界で令嬢らしく振舞えるかと心配です。
しかし、それは杞憂でした。
誰かが背後から近づいてきます。憲三郎とグレイスは記憶が共有されているので、その人物が王立魔法学園の”理事長”だとわかりました。
憲三郎(グレイス)は早速踵を返し、学園長にいつもお世話になっておりますと90度のお辞儀をしました。その行動が学園長には
学園長先生におかれましても、ご機嫌麗しゅう・・・
というセリフと共に貴族の令嬢に相応しい、スカートの端をエレガントに持った挨拶に変換されたのです。
令嬢として完璧すぎる礼節での返事に、周囲の生徒達は見惚れました。学園長も教頭も、ほぉぉぉと彼女の見事な立ち振る舞いに感心します。
このように憲三郎の動作はすべて上流階級の淑女にふさわしい所作へ、自動的に変換されるのです。
名付けて優雅変換(エレガントチート)
(ぼそっと 異世界転生ってそういうものだしな)と自分の順応力を誇示する憲三郎でした。
アンナを叱ったはずが・・
王立魔法学園の入学式を無事に終え、クラス配分が終わり、教科書を配布されます。
これからの学園生活に、少しだけ心を弾ませていたグレイスでしたが、アンナに懐かれているのは、悪役令嬢としての立場では悩みます。
何故か席に座っても隣にアンナがいます。
そんなグレイスの心境など知らず横ではしゃぐアンナ。古本での勉強しか、した事のなかったアンナは新品の本が嬉しかったのです。そこでビシっと(悪役令嬢らしく)
先生のお話は終わってないし、はしゃぐのはご自分の部屋に帰ってからにしなさい
とアンナをいさめます。
憲三郎としては大変心苦しいことですが、悪役らしく振舞わなければとけなげです。
しかしその叱咤も、アンナにはグレイスへの好感度を上げる材料にしかなりませんでした。
平民であり何も知らない、至らない自分をちゃんと叱り、貴族の令嬢としての振る舞いを優雅に行う事の出来る彼女に、尊敬の念を抱くアンナ。
さらに真剣に授業に向き合い、配布された教科書を見詰め微笑むグレイス。
憲三郎は老眼なので、手元の本と授業の黒板は本来ピントが合うまで時間がかかっていました。それがグレイスの目だと瞬時にできるのでとても快適♪
それがほほ笑んでいた理由だとは、アンナは知るよしもありません。
グレイスの向上心に感銘を受け、自分も頑張らなければと思うのでした。
食堂でも優雅変換
一方 生徒会室では第一王子で生徒会長のヴィルジールと保安部長のオーギュストが
新しい生徒会メンバーについて話をしていました。
成績と家柄・人柄で生徒会メンバーは選ばれるとのことで
入試成績TOPのアンナ。
そして成績と家柄なら順当にグレイスと名前を出します。
オーギュストはグレイスに対して
悪いヤツじゃないが性格がキツイと難色を示します。
入学式前のアンナとグレイスの様子を見ていたヴィルジールは
最近グレイスは変わってきたように思うから、しばらく様子をみようと提案します。
グレイスとアンナは学生食堂に行きました。
そこで伯爵家の娘たちが、食事を乗せたトレーを自分でテーブルまで運べというの?と
給仕と言い争いをしています。
グレイスは公爵令嬢の自分がとるべき態度ではないと自ら、料理を取ったトレーを席に運びます。(伯爵より公爵の方が身分が上です)
伯爵家の娘たちはそれを見て恥ずかしそうです。
庶民感覚の憲三郎は残さず食べ、ごちそうさまを言い、料理人においしかったと声をかけます。
ザ・優雅変換~ とても良いお味でした
とシェフへのこと付けを給仕に頼むグレイス。
この1件で他の生徒も倣い始め、シェフへの一言は学園の伝統になっていきました。
悪役令嬢 転生おじさん【2話】感想
少しでも悪役らしく…と機会を見つけてはアンナにつらくあたるグレイスですが、ことごとく好感度上昇のエサになっていく様が楽しいです。
本来のキッツイというグレイスはどんな感じなのかと考える程、今のグレイス(憲三郎)が魅力的で、誰もが惹かれてしまうキャラクターになってます。
優雅変換がエレガント”チート”と訳されているのが 何でもあり感満載ですが、異世界ならこれくらい当たり前と受け入れてしまう憲三郎の思考の柔らかさも面白いです。
それにしても憲三郎、律儀。
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