数ある悪役令嬢・転生ものの中でも異色で大人気の「悪役令嬢転生おじさん」【16話】のあらすじ(ネタバレ)と感想です。
悪役令嬢 転生おじさん【16話】魔杖本(ワンドブック)
魔法模倣演習から一週間が経過しました。
グレイスの自宅の庭でアンナは、ランベールの従魔・スフィンクスのズベン・エル・ゲヌビとの模擬戦をしています。
シリウスを使役し、彼の繰り出す薔薇吹雪を旋風で相殺します。
おおーっきれいに消えたねとリュカ。
二人の見事な戦いにグレイスとリュカは二人の戦いを讃えるのでした。
「魔杖本」ワンドブックの使い心地を聞くグレイスにランベールはいつもの冷静さを忘れ、魔杖本のすばらしさを熱く語るのでした。
以前にアンナの助言によって製作した杖と魔道書を合体させたアイテムである「魔杖本」(ワンドブック)
途中で冷静さを取り戻し、咳払いをするランベール。
それ程に嬉しかったのかと、納得するグレイス。
そんな中で訪れたのは制作者である親方ことヴァルツでした。
以前にグレイスの魔法杖扇を見たランベールは、ヴァルツに魔杖本の制作を依頼し、今日完成した代物を受け取り、模擬戦を庭で披露していたのです。
無論、ここにアンナがいるのは、グレイスの中の憲三郎の思惑であり、ここでアンナとランベールの仲が進展すればとの取り計らいでした。
本来ならアンナの風とランベールの土は相反する属性なのですが、共に切磋琢磨できる関係となりつつありました。
リュカも正反対の二人がここまで仲が良くなれるものなのだと感心しています。
真逆な二人だからこそに、上手くいくのだとそういうこともあるよな…
実例はすぐには思い浮かばないけど…と、改めて納得する憲三郎。
テレビ画面越しに見ていた日菜子は、グレイスと憲三郎のミスマッチが上手く融合されている自分自身を見て欲しいと突っ込むのでした。
アンナとランベールの模擬戦も無事に終わり、休憩をしようと、メイド長にお茶の準備を頼んだグレイス。
アンナとランベールにリュカとグレイスの四人が城の中庭でお茶を楽しむ中、リュカはランベールの持つ魔杖本の下地に使用しているのが、ドクトル・ファウスウスの「魔法陣入門」だと気づきました。
それは良い本だよねーと。
その言葉に素直に同意するランベール。
元々彼は貧乏貴族の産まれでしたが、両親は兄弟に対する教育に対する投資を惜しまない人物でした。
武勇の際に恵まれた兄弟には高価な武具を与え、魔法が好きなランベールは、この魔導書を貰ったと語ります。
ランベールはこの本を貰い、魔法のすばらしさを知り、最初の頃に成功させたのは、枯れた樹に花を咲かせる魔法だったと懐かしむのでした。
この魔法を知ることで魔法の感動を覚えた彼は、何時しか自分の人生も大きな花を咲かせる事が出来ればと願い、魔法学園へと入学したのです。
そんな彼の思いを聴き、グレイスの中にいる憲三郎は、ランベールはご両親の誇りだと言います。
そんなランベールの事を素直に讃えるアンナに、君のご両親もだろと彼もアンナのこれまでの努力と、魔法模倣演習での活躍を讃えます。
それを見ていたグレイスは、良い雰囲気だと安堵します。
このままいけば、アンナは王子と結ばれる可能性もありそうだ…。
魔法に優れた優秀な人材は、平民であろうとも貴族として取り立ててもらえる機会があるので、アンナにもその機会があるのではと考えるグレイス。
そうなればアンナが王妃になれる機会もあるのではと考えていた中、ある事に気づきます。
お茶の茶菓子として用意されたケーキにアンナが手を付けていなかったのです。
アンナは初めて見るお菓子ばかりでマナー的なもの、食べ方が解らなかったと答えました。
彼女はお茶の作法を知らなかったのです。
グレイスは確かに学食ではお菓子は出ないし、お茶のマナーは学ぶ機会は無いわね。アンナにとってまだまだ学ばなければいけない事が沢山あるようだと。
そんなアンナの言葉にランベールも、かつてはマナーに苦労した事を話し、(ランベール様も!)二人の会話を聞いていたリュカはグレイスに教えてもらえばと言います。
もうしばらくすれば夏休みになることを思い出したリュカは、アンナに夏休みはどうするのかと訊ねます。
寮で過ごす事も考えていますが、寮が休みになる期間は実家に戻ろうと考えていたアンナ。
リュカは夏休みを利用して、グレイスの実家で貴族の必要なマナーを学ばせる事が出来るのではと進めてきます。
その提案に驚くアンナですが、グレイスは良いアイデアと賛成します。
しかしアンナはグレイスにそんな事を任せてしまうのは恐れ多いと消極的です。グレイスはそんなアンナに告げます。
アンナはいつか国の重要な立場に就くかもしれないと、その時に為に、マナーや様々な事を学ばなければいけないと、
(憲三郎的には)今後の攻略で訪れるだろう、王子との結婚ルートを想定して、助言を促すグレイス。
しかし、その言葉を聞いてアンナはこう考えてしまいます。
そうだわ。この国での地位の高い重要な立場は王妃であり、(王妃とはグレイス様のこと!)
将来を見越したグレイス様は自分に彼女を補佐する宮廷女官になれと、期待しているのではと深読みをするのでした。
その言葉を素直に受け止め、将来の為にとグレイスの元で、女官になる為にと、彼女の教育を受ける事を決意するアンナ。
全力で上流階級のお作法を(きっと)覚えます!
仲の良い二人だと、ランベールとリュカは微笑み、そしてアンナは、また自分の好感度が上がった事に気づいてはいませんでした・・・
悪役令嬢 転生おじさん【16話】感想
貧乏貴族出のランベールと平民出のアンナの仲が自然と良くなっていくのに安心感がありました。ランベールも冷静できついイメージが最近は見事に剥がれて、素が出てきたようでアンナとは本当にいいペアだなと憲三郎目線でニマニマしてしまいます。
グレイスはここまでくるともう観音様のような立ち位置で、下界の様子を扇を口に持っていきながら傍観しているような貫禄すらあります。
グレイスの婚約者ヴィルジール王子の弟であるリュカがなかなか曲者です。グレイスやアンナと同じ新入生なのですが、今後グレイスの後ろの憲三郎に最初に気づくのは彼かもしれないなぁと 漠然と予想しています。
コメント