数ある悪役令嬢・転生ものの中でも異色で大人気の「悪役令嬢転生おじさん」【20話】のあらすじ(ネタバレ)と感想です。
悪役令嬢 転生おじさん【21話】パン屋のおかみさん
グレイスと夏休みを過ごしていたアンナは、残りの期間を実家で過ごしていました。
久しぶりに故郷へと戻り、パン屋の娘として地元で歓迎されていたアンナ。
そんな彼女を見守っていたのはグレイスと、お供でついてきたジョゼットでした。
アンナは帽子を飛ばされた子どもの為に風魔法を使い、帽子を無事に取って上げました。
子どもたちに感謝をされています。学校で魔法を習ったのかと大はしゃぎです。
パンを届けるよう頼まれたシスターには、学校での生活を聴かれ はい。とても良い人に助けてもらっています。
顔を見せることが親孝行だとグレイスに言われたアンナは、その気づきにグレイスをさらに褒め称えるのでした。
シスターは優しく微笑んで、素敵なお友達なのねとアンナに言うのでした。
当の本人(グレイス)は普段、自分の前で見せないアンナの姿を見てみたいと、悪役令嬢と関わらない彼女が、どんな活躍をするのかと、今後の攻略に必要な情報を集めていたのです。
そんなグレイスの行動は意味が解からないジョゼットでしたが、グレイスが言う事なら正しいのだと素直に受け止めてついてきていました。
そろそろと、約束していたアンナの待ち合わせの時間と、彼女の実家であるパン屋へと赴きます。
入店の前に店の中を見学すると、真剣な眼差しでパンを焼く、アンナの父親らしい人物がいました。
熟練とした動きと仕事に真摯に打ち込む姿に、間違いなくアンナの父親だとグレイスの中の憲三郎は理解し、立派な御仁なのだと察します。
観察している中、ジョゼットがあまりに良い匂いにお腹を鳴らしてしまいます。
申し訳ないと謝るジョゼットに、グレイスは良い匂いだから仕方がないと、フォローします。
二人の会話を聞いていた女性が嬉しそうにグレイスの言葉を受け止めてくれます。
格好を見れば、パン屋の関係者らしい姿。
少し待って欲しいと言い、女性はお店へと入り、そして出来立てのパンを持ってきてくれました。
それはチョココロネでした。憲三郎にとっては見覚えのあるパンでした。
出来立てのトロトロのチョコが入ったパンを食べるジョゼットは、嬉しそうにチョココロネを頬ばります。
このパンは、グレイスを見て思いついたパンであると告げる女性。
彼女はアンナの母親であり、グレイスの事を本人である事を見抜いていたのです。
手紙ではいつもグレイスの事が掛かれており、雰囲気や仕草に髪形など、推測できる情報を手紙に書いていたアンナに、機密漏洩の注意を促した方が良いかなとグレイスはふと考えてしまいます。
このチョココロネを思いついたのは、グレイスの髪形が綺麗で、それを思い浮かべてパンにしてみたと言いました。グレイスはチョココロネを発明した事に感心します。
その時、うっかりとチョココロネと言ってしまい、このパンの名前はチョココロネに決定してしまいました。
以外にも商売っ気の強い、アンナのお母さんだと思うグレイスは、彼女の洞察力や感性などを見て、貴族の出である事を見抜きます。
アンナの母親の方もグレイスの仕草や動き、着ている服の仕立てなどを観察して、手紙でアンナが言っていたグレイスだと見抜いたアンナの母親。
彼女は貴族の出か、もしくは何か関係しているのかと、尋ねるも、それを下手にはぐらかしながら誤魔化そうとするアンナの母親。
嘘が下手な人なのだと、グレイスは笑みを浮かべアンナによく似ていると感じます。
そんな中、町の広場で事件が起きたと騒ぎが起きます。
駆けつけて見れば、広場の大きな木の上に獣人の子どもが、飛んでしまった洗濯物を拾おうとして下りなくなり、泣き出していたのです。
なんで、あんなところに子どもがと驚くグレイス。
同じ獣人であるジョゼットに聞けば、獣人の子どもは人間の子どもよりも身体力があり、うっかりと昇ってしまう事があるみたいです。
大人達が助けに動こうとするも、登れば木の枝が折れてしまうと、うっかりと助けに行く事が出来ない人々。
唐突に風が吹き、子どもが落ちそうになるも、寸前でアンナが風魔法で子どもを再び、木へと飛び移らせます。
アンナの機転により、窮地を脱した少年ですが、現状は変わらないまま。
グレイスはアンナの魔法でどうにかならないのかと訊ねますが、アンナの風魔法では威力が強すぎてしまい、子どもを危険に晒してしまうので使用できません。
またグレイスの浮遊魔法も遠くて使用できないので、互いに八方ふさがりでした。
そんな二人にアンナの母親は、噴水を見て、ある事を思いつきます。
それはチョココロネでした。
アンナの母親が考え出した子どもの救出作戦は、噴水の水を使い、それをアンナの風魔法ですくい上げ、水を纏った竜巻を木へと向かわせ、そしてグレイスの氷魔法で、竜巻を凍らせれば、それは大きな氷の螺旋の滑り台と、チョココロネみたく渦を巻いた滑り台になると。
アンナとグレイスは力を合わせて螺旋の滑り台を完成させます。
木の上で泣いていた子どもに滑って降りる様に言い、子どもは無事に地上へと戻り、事なきを得ました。
アンナとグレイスの活躍に沸き出す町の人々。
グレイスはアンナの魔法力は順調に上がり、彼女が無事に成長している事を見抜きます。
そしてアンナの母親の鋭い洞察力に、彼女には何か秘密があるのではと思う憲三郎。
今後の攻略に大きな影響を及ぼしそうな人物かもしれないと思うも、あまり個人情報を荒らす様な深入りをしてはいけないと、道徳的な問題に悩むのでした。
そんな中で、この事件を解決に導いてくれたのはグレイス様だと言い、将来はこの国の王妃
となる偉大な方だと、大きな声で周囲にいる人たちに伝えるアンナ。
(あいや…そんな個人情報を大きな声で・・・)
この世界にはコンプライアンスが広がらないと、そう悟るしかないグレイスは、さらに上がるエフェクトに押されてしまうのでした。
悪役令嬢 転生おじさん【21話】感想
これにて「悪役令嬢 転生おじさん」第3巻終了です。
物語もだいぶ進んでいき、何か大きな秘密があることが明らかになってきました。
グレイスの中にいる憲三郎が出逢ったグレイスは、何故に鳥カゴに入っていたのでしょう。
以前オリオンの召喚の際に、小さな憲三郎と小さなグレイスが出てきましたが、やはりこれに関係していると考えた方が良さそうです。
グレイスの身体の中に二人の魂があると判断し、憲三郎の魂が今のグレイスを操作し、それを全て憲三郎に任せていると、そんな感じだとすると何故グレイスは、憲三郎に全てを任せるようにしてしまったのか。
グレイスが自分から鳥カゴに閉じこもっているのは、自分が最後は悪役として終わってしまう事を嘆き、どんな事をしても自分は破滅する事に絶望し、憲三郎に全てを任せているのではとも考えられます。”悪役令嬢”とは本来そういう役回りなので。
でも、ハッピーエンドにして欲しいなぁと願っています!
※第4巻は予定では2022年中とのことですが まだ発売されていません。
続く(全話すべて紹介します)
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